保険料
保険料は毎月の給料のほか、賞与からも同じ保険料率で納めます。そのほか、40歳から65歳未満の被保険者については、介護保険料を納めます。
標準報酬月額・標準賞与額
給料を一定の幅の標準報酬月額に等級づけ
健康保険では、被保険者の給料などに応じて、毎月の保険料や手当金の額の基となる「標準報酬月額」を決めることになっています。この「標準報酬月額」には基本給のほか、通勤手当・残業手当などの諸手当も含まれ、1等級・58,000円~50等級1,390,000円の50のランクに分けられています。たとえば、報酬の月額が203,000円の方の標準報酬月額は、17等級・200,000円になります。
標準報酬月額の対象となる報酬 基本給、諸手当(残業手当、通勤手当、住宅手当、家族手当、役付手当、勤務地手当、日・宿直手当、勤務手当、能率手当、精勤手当など)、年4回以上支給の賞与など
賞与等の保険料は標準賞与額に基づき算定
賞与等(ボーナスや決算手当てなど)も、保険料の対象になります。賞与等の保険料は「標準賞与額」(賞与額の1,000円未満を切り捨てたもの)に基づいて決められます。ただし、年度(4月1日~翌年3月31日)の累計額で573万円の上限が設けられており、それを超える分には保険料はかかりません。 なお、標準賞与額の対象となるのは、年3回までの支給で、年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象となります。
標準賞与額の対象となる報酬 年3回まで支給の賞与(役員賞与も含む)、期末手当、年末手当、夏(冬)期手当、越年手当、勤勉手当、繁忙手当、もち代、年末一時金など
標準報酬月額は定期的・臨時に見直す
標準報酬月額は、就職して給料が決まったときに決定され、その後の収入の変動に応じ、次のように2つの方法で見直しを行います。
- 1.定時決定
- 毎年4・5・6月の給料の平均額をもとに決める方法で、標準報酬月額の「定時決定」といいます。 9月から翌年の8月までの1年間は、定時決定された標準報酬月額が毎月の保険料の計算などに使われます。
- 2.随時決定
- 9月から翌年8月までに、昇給や降給などで給料の「固定的賃金」が変わり、引き続いた3カ月間の報酬月額の平均をあてはめた標準報酬月額の等級が、前の等級に比べて2等級以上変わるときには、臨時に改定を行います。これを標準報酬月額の「随時改定」といい、残業代が多くなったなど、「非固定的賃金」だけで報酬月額に変動があった場合には、随時改定は行われません。 4カ月目から新しい標準報酬月額が使われますが、1月から6月までの間に随時改定があったときは、その年の8月までその標準報酬月額が使われ、9月からは定時決定で計算し直された標準報酬月額が使われます。7月から12月までの間に随時改定があったときは、翌年の8月までその標準報酬月額が使われます。
このほか、実際の報酬に応じた保険料負担となるようにする産前産後休業終了時改定、育児休業等終了時改定があります。
標準報酬月額が変わると保険料が変わる
健康保険と介護保険の毎月の保険料は、標準報酬月額に保険料率をかけて、計算されますので、標準報酬月額が変わると、毎月の保険料が変わることになります。また、高額療養費の自己負担限度額も変わることがあります。
保険料は給料・賞与から控除される
- 毎月の保険料
- 毎月の保険料は月単位で計算されます。
月の途中で就職したときも1カ月分の保険料を納めますので、事業主は、被保険者の給料から前月分の保険料を控除し、事業主負担分をあわせて健康保険組合に納めます。 - 賞与の保険料
- 賞与の支給があったときは、支給のあった月分として保険料を納めます。事業主は、被保険者に支給する賞与等から保険料を控除し、事業主負担分をあわせて健康保険組合に納めます。
- 産休中と育児休業期間中の保険料
- 産休中と育児休業期間中の保険料については、事業主が申し出れば免除されます。
保険料は拠出金などの支払いにも充てられる
保険料は、健康保険組合の事業のほか、次のような拠出金にも充てられます。
- 財政調整事業拠出金
- 健康保険組合連合会が、財政事情の厳しい健康保険組合などに交付する財政調整事業のための拠出金です。
- 前期高齢者納付金
- 国民健康保険における前期高齢者(65歳~74歳)の医療費に充てるための納付金です。
- 後期高齢者支援金
- 後期高齢者医療制度(75歳以上)の医療費に充てるための支援金です。
- 介護納付金
- 介護保険制度に充てるための納付金です。